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マウント・マス

数学の定理とその証明

中点連結定理

三角形の\( 2 \)辺の中点を結ぶ線分は、第\( 3 \)辺と平行であり、その長さは第\( 3 \)辺の長さの半分である。すなわち、三角形\( ABC \)において、辺\( AB \)の中点を\( M \)、辺\( AC \)の中点を\( N \)とすると、線分\( MN \)は辺\( BC \)と平行で、\(MN = \frac{1}{2} BC\)が成り立つ。





証明

中点連結定理

三角形\(ABC\)を考え、辺ABの中点を\(M\)、辺\( AC \)の中点を\( N\)とする。

また、\( C \)を通り\( AB \)と平行な直線と直線\( MN \)の交点を\( D \)とする。

三角形\(AMN\)と三角形\(CDN\)において、

 対頂角は等しいので、\( \angle ANM = \angle CND \)

 点\(N\)は辺\(AB\)の中点なので、\(AN = CN\)

 \( AB // CD \)より、錯角は等しいので、\( \angle MAN = \angle DCN \)

よって、一辺とその両端の角が等しいので、\( \triangle AMN ≡ \triangle CDN \)

よって、\( AM = CD、 MN = DN \)

よって、\( AM=BM\)かつ\(AM=CD\)なので、\(BM=CD\)

これと\(BM // CD\)より、四角形\( BCDM \)は平行四辺形だから、

\[ BC // MN、 BC = DM \]

\( BC = DM \)と\( MN = DN \)より、

\[ MN = \frac{1}{2} BC \]

したがって、中点連結定理が証明される。(証明終)

応用問題

【レベル:易】

三角形 \( ABC \) において、辺 \( AB \) の中点を \( M \)、辺 \( AC \) の中点を \( N \) とする。辺 \( BC \) の長さが \( 12 \) cm のとき、線分 \( MN \) の長さを求めよ。

解答

中点連結定理より、三角形の2辺の中点を結ぶ線分は、残りの辺と平行であり、その長さは残りの辺の長さの半分である。

したがって、

\( MN = \frac{1}{2} \times BC \)

\( MN = \frac{1}{2} \times 12 = 6 \) cm

よって、線分 \( MN \) の長さは \( 6 \) cm である。


【レベル:標準】

四角形 \( ABCD \) において、辺 \( AB \) の中点を \( M \)、辺 \( BC \) の中点を \( N \)、辺 \( CD \) の中点を \( P \)、辺 \( DA \) の中点を \( Q \) とする。対角線 \( AC \) の長さが \( 10 \) cm のとき、線分 \( MN \) と線分 \( PQ \) の長さをそれぞれ求めよ。

解答

中点連結定理を適用するために、四角形 \( ABCD \) を2つの三角形 \( ABC \) と \( ADC \) に分けて考える。

三角形 \( ABC \) において、中点連結定理より、

\( MN = \frac{1}{2} \times AC \)

同様に、三角形 \( ADC \) において、

\( PQ = \frac{1}{2} \times AC \)

与えられた \( AC = 10 \) cm より、

\( MN = PQ = \frac{1}{2} \times 10 = 5 \) cm

したがって、線分 \( MN \) と線分 \( PQ \) の長さはともに \( 5 \) cm である。


【レベル:難】

三角形 \( ABC \) において、辺 \( AB \) の中点を \( M \)、辺 \( AC \) の中点を \( N \) とする。線分 \( MN \) の長さが \( 8 \) cm のとき、辺 \( BC \) の長さを求めよ。さらに、三角形 \( ABC \) の面積が \( 48 \) cm² であるとき、三角形 \( AMN \) の面積を求めよ。

解答

中点連結定理より、線分 \( MN \) は辺 \( BC \) と平行であり、その長さは辺 \( BC \) の半分である。

したがって、

\( MN = \frac{1}{2} \times BC \)

与えられた \( MN = 8 \) cm より、

\( BC = 2 \times MN = 2 \times 8 = 16 \) cm

次に、三角形 \( AMN \) の面積を求める。中点連結定理より、三角形 \( AMN \) は三角形 \( ABC \) と相似であり、その相似比は \( 1:2 \) である。

相似な図形の面積比は相似比の2乗に等しいため、

\( \text{面積比} = \left( \frac{1}{2} \right)^2 = \frac{1}{4} \)

したがって、三角形 \( AMN \) の面積は、

\( \text{面積}_{AMN} = \frac{1}{4} \times \text{面積}_{ABC} = \frac{1}{4} \times 48 = 12 \) cm²

以上より、辺 \( BC \) の長さは \( 16 \) cm、三角形 \( AMN \) の面積は \( 12 \) cm² である。