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マウント・マス

数学の定理とその証明

算術の基本定理

1より大きい任意の自然数は、素数の積として一意的に表すことができる。つまり、\(n = p_1^{a_1} p_2^{a_2} \cdots p_k^{a_k}\)と表され、この表現は順序を除いて一意である。ここで、\(p_1, p_2, \ldots, p_k\)は素数、\(a_1, a_2, \ldots, a_k\)は正の整数である。





証明

1より大きい任意の自然数nが素因数分解できることを示す。

数学的帰納法を用いる。n=2のとき、2は素数であるため、素因数分解は自明である。

nが合成数であると仮定し、nの最小の素因数をpとする。\(n = p \cdot m\)と表すことができる。

mに対して帰納法の仮定を適用し、mが素因数分解できることを示す。

次に、素因数分解の一意性を示す。異なる素因数分解が存在すると仮定し、矛盾を導く。

\[ n = p_1^{a_1} p_2^{a_2} \cdots p_k^{a_k} = q_1^{b_1} q_2^{b_2} \cdots q_l^{b_l} \]

\(p_1\)が\(q_1, q_2, \ldots, q_l\)のいずれかと等しいことを示す。

\(p_1\)と\(q_1\)が等しいとすると、\(a_1 = b_1\)でなければならない。

この操作を繰り返すことで、すべての素数とその指数が一致することを示す。

したがって、素因数分解は一意的である。(証明終)