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マウント・マス

数学の定理とその証明

ストークスの定理

向き付け可能なn次元多様体Mとその境界∂Mに対し、コンパクトな台を持つ(n-1)次微分形式ωについて、\(\int_M dω = \int_{∂M} ω\)が成立する。ここでdは外微分演算子を表す。





証明

【ステップ1:多様体の分割】

Mを座標近傍で被覆し、1の分割を用いて局所的な場合に帰着させる。具体的には、開被覆\( U_i \)と従属する1の分割\( ρ_i \)を選び、\(ω = \sum ρ_i ω\)と分解する。

【ステップ2:局所座標系での表現】

座標近傍U⊂\R^nを単位立方体[0,1]^nとみなし、ωを\(ω = \sum_{i=1}^n (-1)^{i-1} f_i dx_1∧⋯∧\widehat{dx_i}∧⋯∧dx_n\)と表現する(^は除外を意味)。

\[ dω = \left( \sum_{i=1}^n \frac{\partial f_i}{\partial x_i} \right) dx_1∧⋯∧dx_n \]

【ステップ3:左辺の積分計算】

外微分の定義より: \(\int_{[0,1]^n} dω = \sum_{i=1}^n \int_0^1⋯\int_0^1 \frac{\partial f_i}{\partial x_i} dx_1⋯dx_n\)

i番目の積分で変数分離し、フビニの定理を適用する。

【ステップ4:部分積分の実行】

例としてx_1に関する項を処理: \(\int_0^1 \frac{\partial f_1}{\partial x_1} dx_1 = f_1(1,x_2,...,x_n) - f_1(0,x_2,...,x_n)\)

この計算を全変数について行い、符号に注意して総和を取る。

【ステップ5:境界積分の導出】

得られた結果は境界∂[0,1]^n上の積分と一致することを確認: \(\sum_{i=1}^n (-1)^{i-1} \left[ \int_{x_i=1} f_i dx_1⋯\widehat{dx_i}⋯dx_n - \int_{x_i=0} f_i dx_1⋯\widehat{dx_i}⋯dx_n \right]\)

\[ = \int_{∂[0,1]^n} ω \]

【ステップ6:座標変換の整合性】

異なる座標近傍間の接続条件を確認。向きを保つ座標変換で積分値が不変であることを示し、1の分割の和が全体の積分に帰着することを証明する。

【ステップ7:多様体の境界への拡張】

∂M上の積分がwell-definedであることを示す。境界座標系の誘導向きと整合性を確認しながら、局所計算を貼り合わせる。

【最終結論】

以上の局所的な計算を全体に集約し、1の分割の性質を用いてグローバルな等式\(\int_M dω = \int_{∂M} ω\)が成立することを結論付ける。(証明終)